わすれられないおくりもの

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小学3年生の国語の教科書に、
「わすれられないおくりもの」というお話が載っています。
 
年をとったあなぐまは、ものしりで賢くて優しくて、
森のみんなに頼りにされていました。
 
あなぐまは、自分の死が、そう遠いことではないと感じていました。
死んで体がなくなっても、心は残るということを知っていたあなぐまは、
死に対する恐怖はありませんでしたが、
後に残していく友達のことが心配でした。
 
ある日あなぐまは
  
  長いトンネルのむこうへ行くよ
  さようなら   
 
という手紙をともだちに残し、死んでしまいます。
 
あなぐまを愛していた森のみんなは大変悲しみます。
その夜、森に雪が降ります。

春になって、森の仲間達が互いに行き来し、
あなぐまの思い出を語り合うようになります。

あなぐまから譲り受けた智恵や工夫で、みんなは互いに助け合います。
いつしか、みんなの悲しみも消え、
あなぐまとの楽しい思い出を語り合えるようになります。
 
春のある日、もぐらは、思い出の丘にのぼり、
あなぐまが残してくれたおくりもののお礼を言います。
「ありがとう、あなぐまさん。」
もぐらは、あなぐまがそばで聞いていてくれるように思うのです。


 
あなぐまの死の瞬間は、こう書かれています。

ゆりいすをだんろのそばに引きよせて、しずかにゆらしているうちに、
あなぐまはぐっすりねむってしまいました。そして、ふしぎな、でも、
すばらしいゆめを見たのです。
おどろいたことに、あなぐまは走っているのです。
目の前には、どこまでも続く長いトンネル。
足はしっかりとして力強く、もう、つえもいりません。
体はすばやく動くし、トンネルを行けは行くほど、
どんどん速く走れます。
とうとう、ふっと地面から浮き上がっったような気がしました。
まるで、体が、なくなってしまったかのようなのです。
あなぐまは、すっかり自由になったと感じました。



以前、勤めていた職場の同僚と、
死について話をした時のことを思い出します。
彼は、人間をヤゴに例えて死を語ったエッセイを読んだことがあると
話してくれました。
水中で生活しているヤゴにとっては、水の上の世界は未知の世界。
水から出て、空中で暮らすことなんて、想像もつきません。
水の上に出ると、苦しいのではないか?恐怖でいっぱいです。
ですが、その時を迎え、水から出て、成虫になり、
ヤゴは、空中を自由に飛び回るトンボになるのです。
 
知らないから怖いだけ。
きっとそこには、自由な、晴れやかな世界が待っている。


もぐらの「ありがとう」は、あなぐまに届いていますよね。
私は、そう思っています。 
私も、だれかにとってのもぐらであり、
あなぐまでありたい・・・。
そう願っています。
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Commented by ポレポレとうさん at 2008-10-13 18:06 x
この本は、いつも気になっていて、でもいつも手を出さずじまいの本なんです。
こういう内容のお話しだったんですね。
かなり奥の深い、感動的なお話しですね。
私も一度読んでみたいと思います。
そして私も、まずは家族にとってのあなぐまになれるよう、
日々を大切に過ごしていきたいなと思います。
Commented by ina-kibi at 2008-10-13 21:35 x
ポレポレとうさんさんへ
コメント、ありがとうございます!
この本、気になってらっしゃったのですね~。
国語の教科書には素晴らしい作品がつまっていて、
いつも感心しています。
こういう物語を、小3の子ども達はどこまで理解し、
何を感じ、何を心に蓄えるのでしょうね・・・。
先生の指導力と、それぞれの子どもの感受性によるとは思いますが、
きっと、言葉にはならない何かを、感じてくれているのだと信じたいですね。
Commented by suzuran-oto at 2008-10-13 22:43
初めまして
ブログへのコメント、どうもありがとうございました!
舘野さんの音を、もう体験なさいましたか?

この本、よく見かけていましたが
このような内容だったとは、知りませんでした
是非、読んでみたいと思います
同僚の方との、ヤゴのお話・・・
去年、兄をなくしので思わず泣いてしまいました
きっと兄もトンボになって自由に羽ばたいてくれているでしょうか・・・
素敵なお話をどうもありがとうございました!!
Commented by ina-kibi at 2008-10-13 23:21
suzuran-otoさんへ
こちらこそご訪問、ありがとうございました!
舘野さんの音と対面するのは、数日後の予定です。
とても楽しみにしています。
お兄さんのこと、お辛いですね・・・。
この本や、ヤゴの話は、自分の中にあった漠然とした恐怖心を、
かなりやわらげてくれました。
今を精一杯、楽しんで生きることに、集中できていると思います。
この物語も、ヤゴの話も、素敵な出会いが運んできてくれた
贈り物だと思っています。
すべてに感謝ですね!

Commented by suzuran-oto at 2008-10-14 14:43
こんにちは♪
コメントの件、大変失礼致しました。
申し訳ございません。
勝手がわからない為、私のコメントは削除としました。
本当にごめんなさい。

舘野さんのコンサートの感想、楽しみにしています
またお邪魔させていただきます♪
Commented by ina-kibi at 2008-10-14 18:27 x
suzuran-otoさんへ
こちらこそ、色々と申し訳ございませんでした。
コメントの件、ありがとうございました!
私も、ブログ楽しみに拝見させていただきますね!
よろしかったら、また遊びに来てくださいね~♪
お体、大切にしてくださいね!
Commented by ねこぴあの at 2014-04-07 21:35 x
忘れられない贈り物、わたしたちもたくさんもらってきましたね、そしてきっと、残していくのでしょう。
死ぬのは怖いけど、残せてつなげていけるのならなくなりはしないなあと思うのです。
Commented by ina-kibi at 2014-04-08 01:16
ねこぴあのさんへ
コメントありがとうございました。
自分で書いた記事ですが、6年ぶりに?読み返すよい機会になりました。
私、国語の教科書が大好きで・・・
娘達が学校から新しい教科書を持ち帰ってくると、とにかく国語を読破します(笑)
今年は高校の教科書もあるので、読み応え満点です。
同じ物語でも、子どもの心、大人の心、それぞれに染み入るものがありますね。
ベッドの下にしまいこんである古い文庫本を引っ張り出して、また全部読み直したい気持ちになりました。
そして、忘れかけていた「誰かにとってのあなぐま、もぐらでありたい」という気持ち、これからも持ち続けようと思いました。
ねこぴあのさん、ありがとうございました!
by ina-kibi | 2008-10-10 21:58 | | Comments(8)

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